2011年8月27日土曜日

バッカス21 本番でワォッ!!

 午前中から設営、練習、リハーサル、食事と怒涛のスケジュールをこなしている内に、いつの間にか時刻は17時を回っていました。各楽屋では楽器のチューニングが行われています。とあるパートの楽屋では、本番前にお化粧直しをする女性陣の様子を「お顔のチューニング」と表現し、「今年の流行語大賞、間違いなし」と大いに盛り上がった模様です。
 17時半。本ベルが鳴り、いよいよ開演です。

 舞台に出て客席を見ますと……一階席も二階席も、バルコニー席までお客様でいっぱい!!

 「バッカス新人」「演奏会に出るのは4年ぶりくらい」「元々緊張しがちな性格」と三拍子揃った筆者の緊張指数が、瞬時に限界すれすれまで急上昇したのは言うまでもありません。同時に、バッカスがいかに多くの方々に愛されているかということを実感いたしました。ありがたいことでございます。

  第一部は、『プレリュード4』『トッカータ~古代舞曲 R.S.第6集「月の記憶」より第3楽章』『幻想曲第1番 イ短調』の3曲です。どれも聞きごたえたっぷりの大曲でございます。
 テンポが大きく崩れることもなく、突出したミスをすることもなく、盛り上がるところでは気持ちよく弾くことが出来たのではないでしょうか。筆者個人は、まだまだ緊張のほうが勝っており硬さが抜けきらないなーといったところでした。それでも、持ちうるすべての力を出し切りましたよ。お客さまからの拍手も盛大です。ありがとうございます!

 休憩の間に調弦をし、お手洗いを済ませ(最重要項目)、第二部です。
 第二部は「バッカス20周年記念!マリオネット・ステージ」ということで、ポルトガルギターとマンドリンのデュオ「マリオネット」さんをお迎えしてのスペシャルなステージでございました。
 まずは『リスボンの恋人たち』『花だより~ぶうげんの唄~』をバッカス・オンリーで演奏。その後、指揮者殿と司会のYASUKOさんとのトークを挟み、3曲目からは、マリオネットさんとのコラボレーション・ステージです。『航海王子』『唐街雨情』『夢は黒潮に乗って』の3曲をマリオネットさんと共に弾きました。特に『夢は黒潮に乗って』は、マリオネットさんの音をひきたてながら、最後はオーケストラならではの盛り上がりをお見せすることができたのではないかと思っております。
 こうして第二部は終了したのでした。

 「……ちょっと待ってください!」

 マリオネットさんが手を振りながら舞台を去ろうとしている最中、そう叫んだのは指揮者殿です。「あと一曲か二曲、演奏して頂けませんか?」
 マリオネットさんは快く承諾してくださり、第二部・アンコールとして『マンドリン酒場の夜』『花の葬列』の2曲を演奏していただきました。哀愁漂うマンドリンの音が、何とも美しく繊細で、「マンドリンの音色とは、こうも綺麗なものなのか……」と思いながら聞き惚れておりました。筆者個人は『花の葬列』にノックアウトしました。花びらがはらはらと舞い落ちるような、切なく、儚い音色と旋律に、目頭が熱くなったのを記憶しております。(注:感性には個人差があります)
 第二部も大盛況のうちに終了したのでした。

 第三部。泣いても笑っても、これが最後のステージです。
 『アルルの女 第一組曲・第二組曲』。まず第一組曲のプレリュード。出だしは「ここでお客様の心を掴めるかどうかにかかっている!!」という指揮者殿の元で何度も練習した部分。さて本番は……。

 良い感じだったのではないでしょうか!その後のギターも美しいです。第一組曲・メヌエット、アダージェット、カリヨンと続きます。第二組曲・メヌエットはフルートが優雅に軽やかに響きます。終曲・ファランドールでは、バッカス・パワー本領発揮!というべき勢いで、狂乱の宴を奏でました。ここで力を出し切らなければ、一体どこで出すというのか。総勢およそ80名の迫力をしかと見届けよ!!……というくらいの気迫はあったのではないでしょうか。

 本編は終わりました。しばらく鳴りやまない拍手の中、舞台を去った指揮者殿が戻ってきて、指揮棒を持ちます。アンコールの始まりです。

 『We were born 1991』。バッカスが生まれた1991年のヒット曲メドレーでございます。誰もが一度は聞いたことのある、名曲の数々。
 ファランドールの熱気も冷めやらぬまま、『SAY YES』『ラブストーリーは突然に』『少年時代』と続きます。そして『愛は勝つ』。指揮者殿がタンバリンを振ると同時に、客席から大きな手拍子が!!事前に指揮者殿から手拍子のお願いをしていたとはいえ、これは予想を遥かに超えております。『どんなときも』でも、手拍子の勢いは衰えません。みんなで揺れながら演奏します。演奏に集中すべきか、動きに集中すべきか、などと無粋なことはすでに頭にありません。とにかく、楽しんで弾こう!!
 最後の最後に『バッカナール』が派手に鳴り、楽器を回すパートもあり、この日最高の盛り上がりを見せ、アンコールは終わりました。

 終演後、ロビーはお帰りになるお客様と出迎えた団員で大変賑わっておりました。マリオネットさんのCD販売とサイン会も行われており、筆者は早速『花の葬列』が収録されたCDを購入し、サインを頂きました。ちゃっかり者本領発揮でございます。

 お越しいただいた皆さまには、この場を借りて厚く御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。また来年のこの季節に、かつしかでお会いできればと、筆者は願ってやみません。

……後片付けが済んだら、いよいよ打ち上げだ!!