バッカスマンドリーノ(Bacchus Mandolino)は、音楽とお酒をこよなく愛する社会人マンドリンオーケストラです。 そしてここは、バッカスの活動をまったりと報告したりするブログです。
2012年5月3日木曜日
春合宿1日目~Merry Golden Week! in Iwai~
なかなか暖かくならない日々が続き春はまだかと思っていたら、一年はとっくに1/4が終わり、岩井巡礼の季節であった。関東のアマチュア音楽家にとって、岩井はただの海水浴と民宿の町ではない。聖地である。岩井に向かう電車も、楽器を持った人々の談笑や合唱部らしき大学生のにぎやかさがあった。
毎年初日は晴れることが多いのだが、今年は電車が遅延するかと思うような雨であった。新幹線は遅れが出たというが、幸い内房線は時刻通り岩井駅に到着した。 バッカス結成当初からお世話になっている民宿“かわきん”さんに到着すると、既に20名くらいの団員が集まっていた。
かわきんさんが用意してくれた豚汁、コーヒー、ゼリー等をいただいたあと、練習場で椅子や譜面台のセッティングを開始。慣れているので、とにかく仕事が早い。
団員は各パートごとに分かれてパート練習を開始し、トップは指揮者と食堂で譜面合わせを始める。
「スープメーカー、本当に出るかどうか試験した方がいいと思います」
「塩谷瞬ってすごい叩かれっぷりですよね」
「コーンスープなかなか美味い」
最初の合奏は二部指揮者殿によるペールギュント第1組曲の「朝」と「山の魔王の宮殿にて」。この日配られたばかりだ。
「朝」は初夏の早朝のような曲だ。美しく、さらりとしていて、眩しい。今や一日中暑い日本の夏だが、ぼくが子供のころの夏休みの朝は、こんな感じだった。 実際に弾いてみると、意外と早く、のっけからフルートとクラリネットが大活躍する。爽やかさの8割はフルートが占めているような気がする。
「山の魔王の宮殿にて」は弾いてみると思っていたよりも遅い・・・と思っていたら、ジェット・コースター並みの加速であっという間にトップスピードに到達した。
“山の魔王”の顔を想像していただきたい。ひどく真っ赤で目を大きく見開き、鼻の穴を広げ、喉の奥が見えるくらい口を大きく開け、ありとあらゆる表情筋を強張らせ、怒るというよりむしろ困ったような顔が浮かんだ方はご連絡を。一緒に弾いていただきたい。
指揮は一部指揮者殿に交代し、まずは「杜の鼓動」から。
スケールの大きな“杜”をやりたい、樹齢百年以上のような―。それが彼が目指す、そして我々の弾く、「杜の鼓動」である。
一部指揮者殿はこれまで欧米のクラシック作品を振ってきたので、初めは彼が日本人のオリジナルを振る姿に違和感を覚えていたのだが、今では彼の感性はむしろ日本人オリジナルの方が向いているような気がする。つまり、極めて感覚的なのだ。
心をそろえよう。
何も弾こうとしなくても、楽器が鳴り出すような感じで。
五感で弾くように。
ずいぶん昔、合奏で一部指揮者殿が出した指示を今でも覚えている。
曰く「このピアニッシモは、ピアニッシモはピアニッシモでも、ピアニッシモよりも幸せな何か」
指揮を見ずに、目を瞑(つぶ)って、感覚だけで弾いてみましょう。
自然に音が鳴り出すように。
目を閉じて、音が鳴り出すのを、祈るように、そして―。
「無理だね。見ようか」
「杜の鼓動」が危うくジョン=ケージの「4分33秒」になりかけて、一部指揮者殿は笑った。
(てゆうか指揮者が「指揮を見るな」って時点でいろいろあれだ。)
初日午後の最後の曲は、企画ステージ「ジャニーズに首ったけ!」である。もうノリノリだ。一部指揮者殿の面目躍如である。 世代によってのれる曲が若干違ってくるところはご愛嬌だが、全世代が楽しめるということで。
“ギンギラギンにさりげなく”で「もう一度Right on!!のところから」と言われて弾けそうな方はご連絡を。一緒に弾いt(ry
午後の練習も終わり、夕食である。今年も海の幸満載だ。
夜の合奏は、引き続きジャニーズ~と「火の山」という大物2曲である。仕事を終えてからやってきたメンバーもぞくぞく集まり、奏者は増えていく。
合奏は22時まで、それから0時までパート練習。そして0時から、初日の打上げ「しょにちや」オープンである。旨し酒を持ち寄り、飲む、呑む、のむ。
岩井の夜はふけてゆき、頭には靄(もや)がかかり始め、ペールギュント第1組曲のような朝は迎えられそうにない。
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